窓のとり方は大切
2022年11月10日 10:23 am カテゴリ:暮らしのようす
スローハンド代表の森田です。
現在工事中の現場のうち、浜北区小林の現場は、
足場がバラされ、外からは外観がわかるようになりました。
そうなってくると養生ネットもなくなり、
内部空間に外の光がはいってくるようになります。
そうなるともっとも気になるのが、
想定したとおりの明るさか、外とのつながり感はどうかといったところです。
それがこのくらいになるとよくわかります。
窓のとり方って実は結構難しいんですよね。
もうこの仕事を30年以上やってますが、
いつも、もっとも頭を悩ませるところです。
以前は割と多めに、そして大きめに窓をとっていましたが、
あるときからそれをやめました。
スローハンドの初期の仕事を見返すと、そのことがよくわかります。
第1号の2004年完成の浜北区西美薗の家の話ですが、
その建て主さんが入居まもなく海外転勤になってしまい、
私が住みながらその留守を預かっていた時期がありました。
そのお預かりしていた5年で、いろいろ検証もすることができたのですが、
そのひとつが窓のとり方です。
建て主さんはもともと、ずいぶん古くに建てられた、
社宅に長く暮らしておられ、人一倍明るい家を希望されていました。
ということもあって、南面には大きな窓を設置し、
奥さまが明るさを損なうご不安があって、軒も深くつけませんでした。
私が借りて使い出したのはちょうど春分の日でした。
「ずいぶんと奥まで日が入るんだなぁ。」
そのときの率直な感想です。
やっぱり軒はつけても問題なかったとそのとき感じました。
そしてゴールデンウィークくらいになって、
気温が20度を超える日が続くころには、南の窓から入ってくる
太陽の陽射しというより熱が、結構室内に影響を及ぼすんですね。
窓を開けて通風で室内をクールダウンしようとしても
南側には道路もあって、外の目線も気になります。
結局南側の窓はいつもカーテンを閉めて、
他の窓から通風を得るようにしていました。
やっぱり南の窓には深めの軒が必需品だと
そのとき確信をもったものです。
それから、夏場は結構北東方面から風が吹いてくることもわかりました。
これ、アメダスの気象データで浜松のデータを見ると、
7月・8月は、南からの風と同じくらい
北東方面から風が来ることが記録されています。
夏の通風も南の窓を大きくすればよいというわけはないと、
そのときの経験で感じたことです。
そういった経験から、南側に深めの軒を設けること
プランや立地上それが施せないときは、
庭に大きめの落葉樹を植えたり、
定番の木製ガラリ付き網戸で夏の日射遮蔽に対応したりしています。