スローハンドの設計作法
その1. 敷地を読む
敷地は千差万別、建築にかかわる法律も場所によって違います。
それら敷地の性格を見極めることが家づくりの第一歩となります。
その場所に身をおいて見える風景、
風の向きや光の具合をしっかり感じとって、
その土地の特性を最大限に活かすことで
気持ちのよい家がカタチになると考えています。
あえて申し上げれば、わたしたちはこれに地元の気候風土を
読み取ることも大事にしています。
遠州地域特有の「からっ風」にどう対処するか、夏の蒸し暑さや雨の多さ。
日本一ともいえる日照のよさもこの地域の特徴です。
それらも織り込んでカタチにすることを、私たちは大事にしています。
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その2. 暮らしをカタチに
暮らしそのものを考えることは、実はやっかいなことでもあります。
いったい自分がどれだけのものをもっているのか、
それはこの先必要なのだろうか…
などと考え始めると答えが出せないような気もします。
そうして収納や家事のためのスペースを
余分にとってしまいがちなのですが、今一歩立ち止まり、
身の丈にあった暮らしを一緒になって見直し、
考えるそのための時間は惜しみなく費やしていきたいと思っています。
その過程を経て出来上がった住まいは、
質実で機能美を纏ったものになると考えています。
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その3. シンプルな間取りと仕上げ
スローハンドがつくる家は、
カタチも間取りも極めてシンプルなのが最大の特長です。
シンプルにすることで、構造的にもプラスになりますし、
後々のメンテナンスのときにも
余計なコストをかけずに済みます。
あまり造りこまず、仕上げも統一して
家族の暮らしの用にあわせて永く対応できる、
いい意味で主張を控えるくらいでちょうどよいと考えています。
かといって、味気ない住まいになっては元も子もありません。
設備の豪華さや華美な仕上げや大仰な造作にたよることなく、
気持ちよく愉しく暮らすための味付けを施すことが
スローハンドの得意とするところです。
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その4. 時代の変化に対応した住まいを
家づくりは完成したときがゴールではなく、
そこから始まる長い暮らしも家づくりの過程だと考えています。
その年月のなかで、家族の構成もそれぞれの趣味嗜好も変わっていきます。
それにあわせてカスタマイズできる、
可変性をもった住まいを基本としています。
また、無垢材の床やほぼ手づくりの建具や造作家具は
時間を経るごとに味わいを増していきます。
それが住む人の愛着を生み、丁寧に手入れすることで
さらに永く愛用されることになります。
それは何ものにも替えがたい贅沢な時間となるでしょう。
また、メンテナンスに必要以上に手がかかることのないように
特に外部は手入れがしやすい素材や造り方にしています。
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その5. 緑のある暮らし、
ソトとつながる
家づくりを建物だけで完結させず、
ソトとのつながりを必ず考えています。
外構・植栽を施すことはもちろん、
デッキや通り土間、全開口できる木製建具など
きちんと活用できることを考えた上で提案させていただいています。
1軒の家をつくることは街の風景をつくること。
それを心して提案させていただいています。
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その6. 見えないものをデザインする
長年にわたり、太陽熱を利用したソーラーハウスを手がけてきました。
お住まいの方皆さまから、その快適さを評価していただいています。
太陽熱のような自然の恵みを取り込み、気持ちのよい住まいをつくる。
言葉にすると簡単ですが、
そのためには熱や空気という見えないものをコントロールする
技術と知識、知恵が必要です。
通風や採光を考慮することもしかりです。
これまでの実績に甘んじることなく、
これからも自然のチカラを活かした家づくりに
力を注いでいこうと考えています。
また、気持ちがよいと感じられる場所で醸し出される空気感は、
お金をかければ生まれるものではありません。
設計力はもちろんのこと、他の空間とのつながり、
素材の調和などこれもまた見えないものをデザインする
センス・オブ・プロポーションが問われるところです。
そのことにもかなり意識的に取り組んでご提案させていただいています。
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