注文住宅の呪縛を解こう。
2022年12月23日 12:00 pm カテゴリ:家づくり事始め
スローハンド代表の森田です。
今回は「注文住宅の呪縛を解こう」です。
どうして注文住宅じゃないといけないのか?
この仕事を長くやってきましたが、不思議に思うことのひとつです。
多くの方が、家を建てるならば注文住宅で建てないと!!
とお考えではないでしょうか?
家は完成してお引渡しした後も、
そこで住まわれる方の生活がずっと続きます。
家電や車のように古くなったり、
流行でなくなったら気軽に買い換えるというわけにはいきません。
そういうことからして一生に一度のことだから、
やりたいと思うことをできる限り家づくりに取り入れたい…
と思うのも無理はありません。
ですが、ほとんどの人にとって人生に1度か2度あるかどうか。
人生の中のほんの数年程度、家について時間や気持ちを割く
という感じではないでしょうか。
その上、そもそも建築に関して建て主さんは専門知識を持ちません。
もし、その建て主さんのいう注文のどおりに家が建ってしまったとしたら
逆に恐ろしいことだと思いませんか?
世界的にみても注文住宅を建てる方が、こんなに多いのは日本だけです。
アメリカでもヨーロッパも諸国でも、あるいはお隣り中国でも
1から注文して建築するという文化はありません。
もっといえば、かつての日本も注文住宅を建てる人なんて、
ごくわずかの人たちでした。
注文住宅という呪縛を解いてほしいと、
これから家づくりをする方にはお伝えしたいのです。
つくり手が確固たるベーシックとなる家を持っていれば、
それをいつも変わらずカタチにしていれば、
建て主さんはつくり手に任せられるはず。
それでも、建て主としてこうしたいという要望を目いっぱいつくり手にぶつける。
その要望が住んでからもなお、耐えうるものなのかを
プロとして咀嚼し、いいものは取り入れていく。
それがほんらい健全な建て主とつくり手の関係ではないかと考えています。
注文住宅という言葉の呪縛から少しでも解き放たれて、
上質感を纏った家を建ててほしいと、そんな思いをいつも抱いています。
「バイオリンの形は300年変わっていない。
良いものはカタチがいつも定まっていて、時代に左右されることがない。」
いつか聞いた講演会で建築家・堀部安嗣さんが語っていた言葉です。
いかに住まいはベーシックであることがよいかを話していた記憶があります。
今一度、その注文はこの先の時代の変化や、家族の変化にも耐えうるものなのか?
そんな問いかけをしながら、家づくりの計画をしてもらいたいと思っています。
いつも同じ空気感をもった住まいをカタチにしたいと考えています。