心地よい住まいをつくるために大切なこと 7
2023年02月10日 12:00 pm カテゴリ:家づくり事始め
スローハンド代表の森田です。
今回は「内部仕上げ」についてお伝えします。
内部仕上げといえば、やはり壁が決め手になるでしょう。
「壁は寝ていろ、沈んでいろ」と
昔の職人さんがよく口にしていたという話を聞いたことがあります。
どういう意味かというと、壁がことさら自ら主張するのは、
日本の家の作法からいうと下品なことだとされていたということだそうです。
その作法は私たちも何となく受け継いでいて、
あまり壁の仕上げに凝ることはしません。
壁はその家に住む住まい手が、絵を飾ったり、家具を置いたり
花を生けたり、暮らしを彩る上での背景であって、
壁そのものが「どうだ、すごいだろ!!」みたいな存在にはしないようにしています。
あえて言えば、素材感は大切にしたいと思っています。
いわば古くなるほどに味が出るような素材、
塗り壁や和紙貼りなんかいいですよね。
内装を板貼りにすることもいいと思います。
時間が経つごとに変化していくのは贅沢なことともいえます。
どうしても家は、最初の竣工したときが一番きれいで、
年月を経るごとに貧相になるなんていわれてしまいますが、
今ではほとんどの家で標準的に使われる
ビニルクロスだと、どうしてもそんな感じになってしまうのでしょうね。
また、内装仕上げだけ味わいのあるものにしても
内部空間のつながりが途切れたり、空間ごとで統一感がなかったりすると
あまり気持ちよくはなりません。
できるだけ、連続性…つまり同じ仕上げでまとめることが結構重要なんです。
ちょっとだけポイントで差し色を入れるとか、
照明や家具などで変化をもたせる方が品のよい、
上質感を帯びた空間になります。
繰り返しになってしまいますが、壁は静かにしている方がいいんです。