スローハンド有限会社は、浜松で自然の力を活かしたパッシブソーラーと心地よい木の家を提供する工務店です。

スローハンド(有)は、浜松で自然の力を活かしたパッシブソーラーと心地よい木の家を提供する工務店です。

代表あいさつ

新たな挑戦を胸に…

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設立から20年を迎えて

2023年で、スローハンドは会社設立から20年を迎えました。
ここまで十分ではないですが、いろいろな取り組みをカタチにして、地域やそこに住む皆さまにいくばくか
貢献ができたのではないかと、そう思っています。
正直なところ、もう十分やりきったなぁと、思わないこともありません。
会社設立から遡ること15年、時はまさにバブル景気の真っただ中。私はその頃社会人となり、地元の
住宅会社に就職しました。まず心血を注いだのが、「省エネ住宅」。今では当たり前になりましたが、
その頃は何と言っても消費が美徳のバブル時代。効果が見えにくい手間ヒマのかかる家をつくるなんてと、よく言われました。その時を思えば、現在は高性能な住宅をつくるのが当たり前になってきて、ようやくそういう時代になったかと感慨深く思う反面、その頃描いていた理想とは少し乖離があることも確かです。

設備機器依存を少なくして、自然のチカラを利用して、もっと建築でできることに注力したいと僕らは思っています。それが30数年前に描いた私の理想でした。まだまだ頑張って理想に近づけたいと思いを新たにしています。

スローハンドはこの20年のあいだに、2つのまちづくりに関わりました。
浜北・西美薗lotsと、同じく浜北・染地台lotsです。
なぜ、ちいさな、ほんとうにちいさな工務店の私たちが、まちづくりを手がけたのか?
前述のように、私のキャリアのスタートは地元ビルダーの営業マンでした。会社に入って最初の仕事が分譲地の計画と販売でした。時まさにバブル真っ只中ということもあって、結構簡単に売り切ってしまいました。次に関わったのが自治体主体の500区画を越える大規模な住宅団地でした。そこには大手ハウスメーカーも名を連ね、各社競っての販売競争の様相を呈していました。

  • 西美薗lots
  • 染地台lots
私もずいぶんその住宅団地で仕事をいただき、高ぶる気持ちを抱いていましたが、同じ住宅団地内で日本一のハウスメーカーSハウスさんの手がけるエリアとの違いを見て相当のショックを受けました。と同時に売れただけで嬉々としている自分を恥じました。聞けばSハウスさんは、そこを購入する方々にいくつかの約束事を守ってもらい、家だけでなく街並みも重視した分譲を作り上げていたんですね。僕らはというと、有体に言えば無計画に、担当者まかせのバラバラな街なみになってしまい、その差は歴然でした。
つごう5回に分けて分譲したのですが、Sハウスさんに刺激を受けて3回目くらいからは、外構の雰囲気も変えたりしましたが、関わるすべての人にその意識が浸透していたわけではないので、あまりうまく行きませんでした。正直、Sハウスさんの外構植栽が好みかといえば違います。しかし、特筆すべきはその姿勢、考え方です。協定でアルミカーポートや物置、アルミフェンスはNGにしたとのことやシンボルツリーになる樹をいくつか用意していたり、お隣との境を生垣でやんわり仕切ったり、門柱のデザインを揃えたりと決めごとをたくさん設けて、それをカタチにしていました。僕はそのとき10年先、20年先きっとすごい違いが出るだろうなって感じたことを今でも覚えています。そのときの体験が、いつか自分でまちづくりを手がけたいという思いの原点になっています。
数年前に、相当の年月を経たその住宅団地に行ってみました。そしてあらためて時を経ても味わい深まる、愛着の持てる街並みを造りたいと思いました。家やその場所に愛着を持つとより手を入れたくなります。周りへの意識が高まり、安易に売却しようとも考えないのではないでしょうか。時間を経た団地で、そんな違いがちょっと感じられました。
大型分譲地は、景気や日本社会の状況からして、少なくなりましたが、今でも小さな分譲はあちこちで増えています。実は私の家の前も、これまで住んでいた方が亡くなって相続がされて、最終的に建売業者さんが購入、3軒の建売分譲が建ちました。これまで建っていた家が決してベストではありませんでしたが、地域の風景の中に溶け込んでいた住まいであったことは間違いありません。そういう風景がどこにでもある住まいに変わってしまい、風景をも切り取られてしまうことに、一抹の寂しさと不安をつくり手として感じています。日本全国どこでも、その場所の風景や気候風土に抗うように同じような家、秩序をもたない百花繚乱の家々が建っています。この流れになんとか一石を投じたいと思っています。

  • 以前の家
  • 新しい建売住宅
残りの時間は、この一石を投じることに費やしたいと思っています。特にこれから住まいを持つことになる若い世代の方々が、将来の不安を抱くことなく、このまち、この地域に長く暮らすことができるような、この地域ならではの、そして気持ちよく、自然と寄り添うような住まい、空間、居場所をつくることに心血を注ぎたいと思っています。多くの若い方にこの思いを共有、賛同していただけたら、私は本望です。

歩みはゆっくりですが、確実に地元の皆さんのお役に立ちたいと考えています。

スローハンド有限会社 代表

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