障子の効能
2022年11月11日 12:00 pm カテゴリ:暮らしのようす
スローハンド代表の森田です。
今回は障子のお話です。
スローハンドでは、窓の内側に障子を立てることが多く、
そうご希望される方もまた多くいます。
僕らは単に和風の情緒を良しとして、障子を多用しているわけではなく、
むしろ機能面を視点にして、取り入れているといった方がよいかもしれません。
障子についていい例えしていた方がいました。
ちょうどタマゴの硬い殻の内側の白い薄い膜に似ていて、
タマゴの中身を大切に包み、保護しているように
障子も住まいをやさしく包み込む役割を負っていると。
まさしくそのようなものだと僕らも思っています。
障子は光を通します。
そしてその光を室内に拡散していきます。
その明るさが住まいに情緒をもたらします。
また、障子は温熱環境にも大いに関係します。
障子と窓のあいだの空気層が、断熱効果を高め、
冬は冷気を、夏は暑さを防いでくれます。
平口ゲストハウスでは居住はしていないので、
夜仕事を終えると、そのあとはひと気がありません。
当然、冬の夜は暖房もないまま、翌朝をむかえます。
朝一番出勤して、リビングの障子をあけると
窓と障子の間に滞留していた冷気が室内に入ってくるのがよくわかります。
紙一枚でそれを防止しているというわけです。
たった一枚の紙だけなのに、いろいろな効果をもたらす障子は
使わない手はない、というのが僕らの考えですが、
その一方、張替えが面倒だったり、
子供さんが小さいと破られる心配があったりします。
完璧な対応ではありませんがタフトップといって、
破れにくい障子紙を使ったり、
将来お子さんの手がかからなくなったときに
障子を付けられるように計画したりしています。
小さなお子さんがいながら、障子を取り入れた建て主さんに聞くと、
お子さんの障子破りは思いのほか少なく、
どうやらお子さんなりの矜持が生まれるようです。
できれば障子を取り入れた住まいを数多く手掛けたいと思っています。