「小さな家がいい」の本当の意味
2022年12月21日 12:00 pm カテゴリ:家づくり事始め
スローハンド代表の森田です。
今回は「小さな家がいいの本当の意味」です。
スローハンドは掲げている“小さな家がいい”ですが、
もうここ10年くらいで、小さな家を建てること自体は
結構市民権を得ていて、弊社で手がける家も
ほとんどが30坪程度の小さな家ばかりです。
それでも4人ないし5人で、十分暮らせています。
ただ、小さな家は、イコール狭い家ではありません。
小さくても、大きな暮らしができる。
それが本当の意味するところです。
では、大きな暮らしってどういことかというと、
日々の生活にストレスなく動くことができて、
家族がほどよい距離感を持ちながら暮らせれば、
家の床面積がいくつかなんていうことはあまり関係ないということです。
小さな家は、大きな家をそのままコンパクトにしたものではありません。
小さな家には、小さな家ならではの創意工夫というか設計術が必要です。
そのおおもとになるのが寸法への意識なのです。
多くの方は寸法に対する意識はあいまいです。
押し入れで使う収納ボックスを購入しようとホームセンターに行って、
いろいろなサイズがあって、
「おや?ウチの押し入れの寸法ってどうだっけ?」
と、頭を悩ます経験ってありまえんか?
普段は寸法を意識して生活するなんてあまりないですよね?
でも、モノってすべてに寸法があります。
それをどのくらい把握しているかで、収納をどの程度にすればよいか?
どう納めればいいか?という答えが合理的に導き出されます。
それをあいまいなまま設計すると、
実はそんなに収納に面積を取らなくてもよかったとか、
せっかく空間はとったのに、うまく収納できないなんていうことが生じるわけです。
つくり手はそれが怖いので、
多め多めに収納スペースを確保していくようにします。
これは収納に限らず、リビングとかキッチンとかの間取りでも同様です。
このくらいあれば十分用途に叶うということを把握していないと、
とりあえずリビングは10畳にしておこうとか、
キッチンは広めにしておこうとか、
根拠のない大きさで構成していくことなります。
その結果、なんだか大きな家になっちゃったね…
なんていうことのなるわけです。
それが暮らしやすい家ならばいいのですが、
大きくなるということは、動線も長くなるし、
隅々まで神経が行き届かなくなります。
それに見合うだけの暮らし術をお持ちであればいいのですが、
なかなかそうもいきませんよね?
再度申し上げますが、小さな家を狭い家ではありません。
僕らがいつも目指し、カタチにしているのは、
大きな暮らしができる、小さな家です。
そのためには寸法をよく吟味すること。
部屋を細々仕切らない間取りにすること。
家の中だけで、生活を完結させないこと…
つまりソトとのつながりを大事にすること。
そして、家のなかでいい時間を過ごすために居場所を複数つくることです。
まだまだ極意はありますが、とりあえず上記を心得ていただけるとうれしいです。
平口ゲストハウスでは、小さな家の創意工夫をいろいろカタチにしています。