照明のデザインは重要 4
2023年01月12日 12:00 pm カテゴリ:家づくり事始め
スローハンド代表の森田です。
前回お伝えした
スローハンドが考える照明デザインの3つの原則のうち、
「照明器具の存在をできるだけ消す」についてお伝えしたいと思います。
照明器具が活躍するのは、灯りを照らす夜がメインです。
灯りを必要としない昼間は、静かにじっとしています。
なんだか詩のような表現で恐縮ですが、
その静かにしているというのが大事だと思っています。
使っていないときに照明器具がやたらと目に入って、
暮らしの邪魔をするようなことはあまりいいことではないと思っています。
あまりに大きな照明器具だったり、デザインが華美で
灯りが点いているときはそれがプラスになるけれど、
点いていないときは眼についてしょうがない器具とかは
あまり選ばない方がよいと考えています。
基本的に器具そのものはプレーンなもので
単純な形をしていて、大きさや明るさが適切なものを
選ぶことをお勧めします。
このテーマの冒頭で吉村順三のことば
「欲しいのは照明器具ではなく灯り」の意味するところは、
空間そのものの質は設計施工によってカタチづくるのであって、
照明器具のデザインでよくなるものではない。
その空間を損なわない灯りさえあればいいということではないかと思っています。
そんなこともあってスローハンドでは、
ほんとうに昼間は目立たない、静かな照明器具を選んでいます。
それが結構金額にプラスに働いて、普通1軒の家でかかる照明器具は
坪1万円といわれているのですが、(30坪の家だと30万円ということですね)
おそらくその半分から半分強で済んでいます。
それでもダイニングのペンダント照明にはルイスポールセンのPH5を使ったり
トルボー220を使ったりしています。
ダイニングのペンダント照明だけはちょっといいものにして、
照明器具にメリハリをつけるわけです。
一様にそれなりの器具をつけるよりいいお金の使い方だと思いませんか?
こういったことは実は造り手のバランス感覚やセンスによるところが大きいので
実のところ、いい家かどうかの見極めとして
照明計画がどうかというのも結構ポイントになるんですね。
そんな目線でいろいろな会社の建物を見ていただくのもいいと思います。