心地よい住まいをつくるために大切なこと 6
2023年02月09日 12:00 pm カテゴリ:家づくり事始め
スローハンド代表の森田です。
今回は「天井」についてお伝えします。
よく、スローハンドの家は天井が低いですね…といわれます。
天井が高い家で暮らすと大物が育つと、
かつて某ハウスメーカーさんがCMのコピーに使ってました。
また、ちょっと前に違うハウスメーカーさんが逆説的な伝え方で、
天井高を訴求したりしていますね。
結構気になるポイントなのかもしれません。
天井の高さをどう設定するのがよいか?
地味なことですが、結構大事なテーマでもあるんです。
どうして低くしているかを相当の頻度で質問を受けます。
実のところ、私たちは特に低いとは思っていないので
何か覚悟をもって現在の高さ(床から2121mm)にしているわけではないんです。
あえていえば、
天井は高ければいいというものではないということ。
大事なのは全体のプロポーションを考えて、
その高さを設定しているということです。
私たちは、水平の広がり=横の空間のつながりを大切にしています。
それに対してタテ方向の寸法のバランスが悪いと、
天井を高くしても気持ちよさを感じず、むしろ違和感を感じる空間になってしまうんです。
よく、窓の大きさが幅よりも高さ、
つまりヨコよりタテの寸法が大きいサッシを見かけますが、思い描いてみてください。
ヨコの方ががタテより短いと、あんまり大きな窓にみえないんです。
タテヨコに比率って結構心地よさに直結するんです。
ヨコの広がりに対して、心地よい寸法が2メートルプラスアルファだと捉えていまして、
それで今の天井高に設定しているわけです。
ただ、このプロポーションは、家づくりを考えている人の中でも、
腑に落ちる人と、そうでない人と明らかに別れます。
まだ家づくりを考え始めて間もない方には、ピンと来ないのですが、
結構考え始めて時間を経た方は、このプロポーションの話をすると
何か合点がいったような感じがするんですね。
内部空間のプロポーション、つまりタテとヨコの比率がもたらすものが、
心地よさのポイントだということをたくさん建物を見てきたことで、
理解できるわけなんです。
もうひとつ、多くの方は家づくりを検討するときに
モデルハウスや見学会に足を運ぶと思いますが、ほとんど立って見聞してますよね?
でもよく考えてみてください。
日々の生活って立って暮らしてませんよね?
生活の目線は実は低いんです。
その目線で家の中を見渡して見たとき、あまり天井が高いと
よけいにタテヨコの比率がいびつになってしまうんです。
ぜひ、モデルハウスや見学会に出かけた折には、
その場その場で座ってみることをお勧めします。
そうすることで、気持ちよく思うタテヨコのバランスを
自分なりに感じ取ることができるはずです。
そうやって自分にとっての心地よさを見つけることが
心地よい家づくりを実現させる要素でもあるんです。