長い用に足りうる家を 3
2023年02月15日 12:00 pm カテゴリ:家づくり事始め
スローハンド代表の森田です。
昨日は、愛着のもてる家にすることが、
日本の住宅寿命を長くすることにつながるという話をお伝えしました。
すっかり定着しましたが、10数年前に長期優良住宅制度が誕生し、
長く良好な状態で使用するための措置を施した住宅に
いろいろなメリットが付与されるようになりました。
しかしその長期優良住宅も、結局のところ構造の安定性とか、
温熱環境や劣化の軽減とか、どうしてもハードスペックで
対処しようという観点で規定がされています。
もちろんそれも大事なことなのですが、
たとえば温熱環境を改善するとして、一日中エアコンを稼動させて、
そのエネルギーが少なくて済む暮らしが、
果たして愛着が持てるものなのか?
そう考えざるをえません。
長期優良住宅という制度ができたことで、その規定をクリアすれば、
長持ちして快適な暮らしができる家になると
なんとなくイメージしてしまいます。
ここ最近家づくりに携わる上でテーマにしているのは、
“性能の先の心地よさ・快適さを考える”ということです。
なぜなら、住まい手がその家に
心地よさや快適さを感じられないければ、
その家を大事にしようとしないからです。
だからといって性能をおろそかにするのではなく、
定められた数値目標にもしっかり対処したうえで、
心地よさや快適さを探求するのが
これから先の家づくりの重要なポイントになると思っています。
長い用に足りるということは言い換えれば
人が普遍的に求めているものへ、どう応えていくのかということです。
私はそれが心地よさや快適さなのだと考えています。