住まいにおける温故知新 5
2023年04月06日 12:00 pm カテゴリ:家づくり事始め
こんにちは、
スローハンド代表の森田です。
おそらく、もっとも昔ながらの日本家屋の特徴で、
今の家にも取り入れられているのが、建具類ではないかと思います。
障子やふすまがそれですね。
障子に使われる紙や木は、実は非常に熱を伝えにくい素材なんです。
ですから、冬の朝、窓をあける手前に障子を開けると、
窓ガラスから伝わった冷気がふわーと入ってきます。
逆にいうと、それくらい障子で冷気をストップしているということです。
とても優れたアイテムです。
また、カーテンやロールスクリーンでは、どうしても窓との間にすきまができてしまいます。
そうするとコールドドラフトといって冷たい空気が下降して、
床とのすきまから室内に入ってきてしまいます。
障子は窓の同じサイズで取り付けるので、その不快なコールドドラフトもない
というわけです。
それに光をやわらかく室内に届けるというよさもありますね。
障子による光の透過率は、40~50%といわれています。
夏などはこのくらいの光の量の方が、過ごしやすいでしょう。
また、障子に使われる和紙は基本的に白いので、
実は、窓を開けているより光の反射によって部屋の中が明るくなる
ということもありえるんですね。
冬は寒いので陽を入れたいところですが、
そうはいっても直射日光にずっとあたるのは結構厳しいものがあります。
入射角が低い冬は、日中障子を閉めていても
やわらかな光が入って明るく過ごせるので、結構お勧めです。
ひとつだけ難点といえるものがあるとすれば、
開けるか閉めるかの選択が前提なので夏場は閉めてしまうと、
窓の風が通らなくなってしまいます。
ですから、夏の通風として活用する窓に障子を設置する際は、
通風計画をしっかり考慮しないといけません。
スローハンドでは、障子とセットでガラリ付き網戸を提案しています。
夏は、ほぼガラリ付き網戸によって視線と陽射しを防ぎつつ
通風をしっかり確保する方法をとっています。
このように障子以外の建具との組み合わせが
住み心地をアップするポイントです。