スローハンド有限会社は、浜松で自然の力を活かしたパッシブソーラーと心地よい木の家を提供する工務店です。

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住まいにおける温故知新 8

2023年04月11日 12:00 pm カテゴリ: 

こんにちは、

スローハンド代表の森田です。

 

古い日本の家屋・・・総称して「民家」。
その造られ方には、現在の生活にも取り入れることができる
工夫や考え方がたくさんあります。
ここまで綴った「格子」や「土間」や「障子」を含んだ建具は
その中のひとつに過ぎません。
ただ、見た目のデザインからではなく、暮らしの用に照らして
これらを取り入れることが肝要です。
 
そして特長的なのが民家は、外に対して「開く」ことを前提としています。
それに対して現在の住宅は、どちらかというと「閉じる」家です。
省エネや脱炭素社会の実現という社会的問題への考慮から

そうなることは避けられませんし、悪いことではありません。
ただ、機械や設備に頼る前にこういった民家の造られ方に
何かヒントはないかと、家づくりをする上で考えて検討してみることは
決して無駄なことではなく、むしろ有意義なことだと考えています。
 
そしてもうひとつ・・・「シンプルな間取り」
これが民家の基本中の基本です。
民家のカタチは、地域の気候風土の特性から必然的に出来上がったものです。
その地域で暮らしていくには、こういう家のカタチが最適であると
長い年月を重ねて導きだされたものです。

それぞれ地域ごとでカタチは違いますが、間取りはどの地域でもシンプルです。
8畳間が4つくっついて上からみると田んぼの「田」にみえるので
「田の字型プラン」といわれたりしますが、
その規格化されたような中で、融通無碍にあるときは茶の間として、
あるときは客間として、またあるときは寝室として使うという
空間を一定の用途に限定しないというのが古い民家の住まい術です。
 
もちろん現在の暮らしでそのとおりとはいかないでしょう。
でも、なるべく仕切らずに大きく暮らす。
仕切るときは引き戸を活用して、仕切らないときは壁に引き込んでおく。
視線や気配を格子や造作収納で軽減する。
土間や深い軒を設け、夏は涼を呼び、普段はちょっとした作業をするなど実用的に使う。
こうやって挙げていくとやたら凝った間取りにしなくても、
今の暮らしにフィットできそうに思いませんか?
シンプルな間取りについては、またいずれお伝えしたいとも思っています。
温故知新の住まい術。
古い正しいものは、今の時代にも有効だと考えます。

 

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