スローハンド有限会社は、浜松で自然の力を活かしたパッシブソーラーと心地よい木の家を提供する工務店です。

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住まいにおける温故知新 7

2023年04月10日 12:00 pm カテゴリ: 

こんにちは、

スローハンド代表の森田です。

 

ふすまや出入り口の建具には、日本の家屋の独特な手法でもある
「引き戸」があることはご存知のとおりですね。
でも、今の時代普通に家を建てるとだいたいドアになってしまいます。
最近は少し見直されつつありますが、おそらく全体の8割くらいで
ドアが選択されているのではと思います。
 
スローハンドでは、ほぼ99.9%引き戸(引込戸)にしていますが、
多くのメリットを考えてのことです。
まず、引き戸(引込戸)は使うときに閉めるのが基本です。
使わないときには壁に引き込んでおけます。
それに対してドアは、閉めておく状態が常です。
開けた状態だとその分スペースをとる上
ドアの動くところは物などをおけないし、人もそこにいると邪魔になります。
また、開けておけることに支障がないとしても
風などでパタンと閉まってしまったりして、それがストレスになります。

 

引き戸(引込戸)は通風を確保する上でも優れています。
特に生活動線が密集する水廻りはドアですと、
手にモノをもっているときは開閉に難儀します。
引き戸(引込戸)ならちょっと開けるくらいならば
仮にしまっていても引き手に手をかければ、動線を邪魔することはありません。

どうでしょうか?たとえば洗面脱衣室なんて、
家族のだれかが使っている時しか閉めていないことありませんか?
そういうところにドアをつけると、ただでさえ家族の行き交いが多いのに
開けた状態のドアって、言い方は悪いですがうっとおしいですよね(笑)?

 

こうして綴るといいこと尽くめの引き戸ですが、
どうして選ばれることが少ないのかというと一番はコストでしょうね。
ドアはモノを取り付けるだけで済みますから、
建具屋さんだけ工事をすればいいのですが、
引き戸(引込戸)は引き込む枠は大工さんが造った上で、
建具を建具屋さんが吊りこむので、時間も手間もお金もかかります。
予算がオーバーになったとき、わりと見直し対象にされてしまうんですよね。

 

あと、どうしても働き幅が大きいので気密性には劣ります。
ドアは閉めると密着性が高いので、たとえば冬の冷気は結構ガードしてくれます。
あるいはあたたまった部屋の暖気を逃さないようにもなります。
温熱環境をよりよくする上で、ドアにメリットがあることは間違いありません。
ただ現在の家づくりは家全体の気密性・断熱性がかなり高くなるので、
部屋ごとで暖房冷房をするというより、家全体でそうすることに重きをおいています。
つまりあまり仕切らない間取り計画の方が最適なんですね。
と同時に、広々とした空間が可能になったことで、
その心地よさが普通になってきたのかもしれません。
 
引き戸が見直されつつあるのは、そういう家づくりのトレンドの変化と
関連があるともいえます。
もっともわたしたちは、もうずっと前からそういう家づくりをしてきているので、
最近の傾向を歓迎していますが、もっと早く見直されてもよかったのにと、

少し複雑な思いも感じます。
 

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