今一度、パッシブデザインを考える 3
2023年04月14日 12:00 pm カテゴリ:家づくり事始め
こんにちは、
スローハンド代表の森田です。
今の家づくりにおいて、パッシブデザインもかなり浸透してきたと思いますが、
ちょっと断熱・気密のみに偏りがちで、
その他の6つの要素…集熱・蓄熱・排熱・日射遮蔽・通風・採涼については、
少しおろそかにされがちということをお伝えしました。
さて、その断熱・気密も含めた8つの要素に加え、
もうひとつ大事なのが「熱移動」です。
あまり聞きなれないかもしれませんが、熱をデザインすることは
住み心地にもかなりの影響を与えます。
熱の移動には輻射・対流・伝導の3つがあります。
その3つの中でお勧めするのは、輻射による採暖です。
むしろ、パッシブデザインともっとも相性がいいのが輻射暖房だといえます。
では、輻射暖房とはどんなものなのでしょうか?
かんたんに言ってしまうと熱源から放射される遠赤外線によって
直接そのあたたかさが伝わる暖のとり方です。
もうちょっと詳しくいうとその熱源とそこにいる人とのあいだに
空気などの気体の有無にかかわらず、熱源からの熱が赤外線によって伝わるもので、
薪ストーブや蓄熱暖房機、あるいはわたしたちは取り組んでいる
太陽熱を利用したソーラーシステムもこれに入ります。
エアコンやファンヒーターは対流による暖のとり方で、
熱を放熱して空気を暖めるので熱の元を止めてしまうと暖かさは損なわれていきます。
一方輻射暖房は、熱源から発せられた遠赤外線が
家の中も壁面や家具を温め、その暖められた壁面や家具からも熱が放出されることから
とてもマイルドな暖かさを感じることができるわけです。
これが暖かさの質の違いです。
ほんとうは体感してもらえるといいのですが、
輻射暖房のエース薪ストーブの暖かさは、エアコンやファンヒーターのそれとは
まったく違うことがわかると思います。
ただ、暖まるまでに時間がかかること、気密性・断熱性が低い家だと
輻射熱の効果が薄いことなど注意する点もあります。
スローハンドはあまり家のスペックについては、声高にしてはいませんが、
この輻射による採暖が効果的にできる家の性能を実現するということを
最も大事にしています。
薪ストーブは、この冬も大活躍しました。