今一度、パッシブデザインを考える 4
2023年04月17日 12:00 pm カテゴリ:家づくり事始め
こんにちは、
スローハンド代表の森田です。
先回からの続き…輻射暖房のお話を続けます。
薪ストーブや太陽熱利用のソーラーシステムは、確かに輻射暖房として優れているし
効果的だけれども、当然コストもかかるし、使い続けることへの不安もあるでしょう。
そういうマインドが働くと使っていく上でラクなエアコンやファンヒーターを
選択するというのは、ある意味当然のことです。
それはいったん置いておきますが、もっとも手軽な輻射熱の取得って何だと思います?
それは、「ダイレクトゲイン」です。
つまり、太陽からの日射を家の中に取り込むということです。
これなら手軽だし、お金もかかりませんよね?
ほとんどの家は、南側に大きな窓を設けるつくり方をしています。
その理由は、「明るいリビングにしたい」というフレーズにみられる
家を、特に家族のいるリビングはなるべく明るくしたいからということが
ほとんどだと思います。
でも、それによって冬の日射取得も同時に行えるわけで、
自然とダイレクトゲインができる家に暮らしている方が結構多いはずです。
でも、冬のありがた太陽のエネルギーに対して無頓着でいると、
冬の昼間でもカーテンやブラインドを閉めてしまい、
せっかくの日射取得をせず、夜になるとエアコンをフル稼働する…
なんていう暮らしの方が多いのも確かです。
どうして冬の昼間にカーテンを閉めてしまうかというと、
冬は入射角が低いので、夏よりも家の中に陽ざしがたくさん入ってきます。
それによって結構陽の当たるところが暑くなるので、
その対処として、カーテンやブラインドを閉めてしまうというわけです。
確かに、ずっとそこにいて太陽の日差しをうけ続けることは、
冬とはいえ、不快で耐え難いものです。
あとは外から家の中は丸見えになるのがイヤ…ということもありますよね。
でも、冬の晴天の日射取得はバカになりません。
弊社ゲストハウスは、冬の昼間でも晴天ならば
室温が20度くらいになることもあります。
その熱をうまく取り込み、逃がさないようにするためには
やはり気密・断熱が重要なわけですが、
このダイレクトゲインは話の端に追いやって
手軽で、ある意味省エネなエアコンを活用して、
それで省エネルギーで暮らすという感じです。
長くパッシブデザインに携わってきたものとして、
とても「もったいないなぁ」と言葉が思わず口をつきますが、
そういっても詮無いことです。
わたしたちは、できるだけ自然のエネルギーを利用していきたいと
考えているので、このダイレクトゲインとの付き合い方を
常に念頭においています。