なぜソーラーシステムに取り組むか? 5
2023年01月20日 12:00 pm カテゴリ:家づくり事始め
スローハンド代表の森田です。
自然エネルギーを活用した家に暮らすとどんな感じなのか、
とても気になりますよね。
前回までに太陽の光を活用した太陽光発電を取り入れた暮らしについては、
電気代が安くなったり恩恵がわかりやすい一方、
すべてを電気に頼った暮らしになることには、よく考える必要があると思っています。
長年、太陽熱を利用したソーラーシステム、かつてはOMソーラーを、
現在はそよ風とびおソーラーの2つに取り組んでいます。
一般的に太陽熱利用のシステムというと屋根の上にパネルが載っていて、
そのなかに水を通すと太陽熱で水がお湯にかわり、
それをお風呂や炊事で使うというものをイメージされると思います。
何だか昭和な感じがするかもしれませんが(笑)、
このいたってシンプルなシステムだからこそ、いいと思うのです。
ただ、水はその特性がゆえ、温度の変化で膨張したり、もちろん凍ったりして
実は扱うのがやっかいなんですね。
そこでちょうどいいのが空気なんです。
OMソーラーもそよ風もびおソーラーも太陽熱で暖めた空気で
暖房したりお湯を作ったりするんです。
そのことが暮らしの質を大きく変えるんですね。
水をお湯に変えるだけなら、ガス代や電気代が浮いたね。っていう話で終わりですが、
空気を使うということが暮らしに大きく貢献するんです。
空気を暖めて、それを屋内に送り込むというきわめてシンプルな動作なので、
メンテナンスもさほど必要としません。
冬は空気を暖めながら家の中に取り込むので、いわば、
暖房しながら換気も兼ねているんですね。
普通どんな暖房でも、暖まった空気を逃がさないように
家の中はなるべく閉めきります。
そうすると暖かい空気は逃げませんが、だんだんと室内の空気は澱んできます。
それを入れ替えようと換気扇を回したり、
窓を開けたりすると空気は入れ替わりますが、同時に暖かさも損なわれます。
暖かさを損なわずに換気をする・・・
地味なことですが、とても画期的なんですね。
それから取り込んだ空気は、屋根面を通る過程で除湿されます。
冬はもともと空気が乾いていますので室内に入った空気は
湿度でいうと30%そこそこのかなり乾燥したものなんです。
この乾燥した空気が取り込まれることでどういう利点があるかというと、
洗たく物が室内に干していてもよく乾きます。
お布団がふかふかになります。
春先の花粉の時期とかに外干しができないというケースありますよね?
そういうとき、本当に重宝します。
こういう暮らしは、空気集熱式パッシブソーラーでないと味わえないものです。
暖房の効果よりむしろ換気の効果の方が実感されやすいかもしれません。
ただ乾燥気味の空気なので、のどが弱い方とかは気をつける点もありますが、
そうやってちょっと水気のものがあるとちょうどいい感じなんですね。
あとは、カビやダニの発生を抑制することも長所ですね。
熱と空気をデザインする・・・。
かっこよくいうとそんな表現になるのですが、このことが暮らしの質をよりよくすることを
多くの実践を積み重ねてきて確認してきました。
週末見学会を開催する「浜北 小林の家」にもびおソーラーを取り入れています。