土地についてあれこれ 続編9
2023年12月13日 12:00 pm カテゴリ:暮らしのようす
こんにちは、
スローハンド代表の森田です。
南道路・北道路・東道路と綴ってきましたが、最後は西道路の土地についてです。
実は西道路の土地がもっともいい家ができやすいんです。
ほぼ結論のようなことを言ってしまいますが、
実際、弊社もその施工例が一番多いのがこの西道路の土地で建築したお宅です。
つまり、西道路の土地を積極的にお奨めしているんです。
なぜか?
まず、遠州や東三河は秋から春先まで北西から来る強風が風物詩です。
浜松では「からっ風」などと呼ばれていますよね。
そこから生まれたこの地域らしい景観として槙で囲われた民家や集落があります。
ホソバといわれる槙がこいの景観は、住んでいると当たり前なのですが、
他の地域にはあまりありません。
ホソバが生まれたのは、ひとつは槙という木が燃えにくいので
火事の時に延焼を防ぐといわれています。
それと同時に強風そのものをやわらげ、かつ風による音が軽減されるからといわれています。
昨今は手入れが大変といって、家を建替える際に撤去してしまうこともあるのですが、
残しておきたい地域のデザインだと思います。
つまりは、風対策をどうするかが、この地域では問われるんです。
三方原にお住まいの方によく言われるんですが、冬場外に洗濯を干すと、
洗濯物がどこかに行ってしまうこともしばしばだそうです。
風は思った以上に体感温度を下げます。
北海道出身の方は浜松のほうが寒いといいます。
冬は室内を暖房でがんがん暖めるかの地の冬の暮らし方とはそもそも違うので、
言葉通りの意味ではありませんが、お日様が出ているのに
風によって体感温度を奪われるという経験はもしかしたら、この地域ならではかもしれませんね。
最初に西道路の土地をお奨めするのはいい家が造りやすいからとお話しましたが、
その理由はいくつかあります。
まず、そもそも陽あたりがよく住まいの中でいい場所といえる
南面には、たとえばトイレや洗面などを配置することはありませんよね?
どちらかというと玄関も含め、そういった居室ではない空間は、
北側や西側に配置することが多くなります。
それに加え、夏の西日はとてもやっかいものですし、冬のからっ風も防ぎたい・・・。
西側はどちらかといえば開口を取らず閉じる方向といえます。
つまりそもそも西道路であれば、そちら側に居室でない空間を構成することで、
開口も大きく取る必要がなくなるということ。
無理なく、無駄なく暮らしの用に沿った間取りを構成できるということです。
さらに、建物を少し南側へ長めに張り出すようにすると、
その反対側は冬でも強風を防ぐことができてちょうど陽だまりになって、
そこに洗濯物を干したり、子どもたちの遊びの場所になったり、
つまりは「使える」場所になるわけです。
暮らしの用から考えると、実は南道路の土地よりもいい家が造りやすいんですね。
土地の価値はその場所に建物が建ち、そこでの暮らしの質まで含めて評価されるべきと私は考えています。
そういう意味では、西道路の土地は価値を上げやすいといえますね。
スローハンドでの西道路の実例は、
浜松・染地台の家004
浜松・富塚の家003
豊橋・東田西郷の家
などがあります。